総合馬術ってどんな競技?ルールと見どころを解説【動画付き】

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2020年東京オリンピックの開催ももうすぐ。
馬術競技を観戦される方もいらっしゃるのではないでしょうか。
普段あまり馴染みのない馬術競技ですが、ルールを少しでも知っていれば楽しく観戦することができます。

今回は総合馬術競技についてオリンピックでも楽しく観戦する方法を現役総合馬術選手の私がお教えします!

馬術競技全体の解説はこちらから▽

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そもそも総合馬術ってどんな競技?

一言で総合馬術と言われてもなかなかイメージしずらいですよね…
総合馬術という競技は、馬場馬術、クロスカントリー、障害馬術の3種目を同一人馬で行い、そう減点を競う競技です。

3種目を3日間かけて行うことから馬のトライアスロンなどとも言われます。
ちなみに総合馬術は英語でEVENTING(イベンティング)になります。

特に2日目に行われるクロスカントリー競技は迫力満点!
馬術を知らない方や競馬は好きという方でも最初から見ていて楽しめる競技だと思います。

高橋駿人
高橋駿人

クロスカントリー競技は総合馬術の最大の魅力と言っても過言ではありません!

参照元:https://eventingnation.com/more-proposed-fei-rule-changes-for-2019-you-need-to-know/

総合馬術の順位の決定方法は?

総合馬術は他の競技とは違い、3つの種目を行います。
馬場、クロスカントリー、障害それぞれで減点を算出して、3種目の合計減点が少ない人馬が上位となります。
それぞれの種目の減点の算出方法については、この後それぞれ解説していきます。

ではもし合計減点が同じだった場合はどうするのかというと、次のように決めていきます。

a) クロスカントリー競技で障害減点、タイム減点、および他の減点があった場合にはこれらを含めたクロスカントリースコアの最も良い選手。

b)  それでもなお同点の場合は、クロスカントリータイムが規定タイムに最も 近い選手から順位を決定する。

c)  それでもなお同点の場合は、障害減点とタイム減点を含めた障害馬術スコ アが最も良い選手。

d)  それでもなお同点の場合は、障害馬術競技で最も早いタイムの選手。

e)  それでもなお同点の場合は、馬場馬術競技で総合観察点の合計が最も高い選手から順位を決定する。

f)  それでもなお同点の場合は最終順位において同順位とする。

国際馬術連盟 総合馬術規定 より

1日目:馬場馬術競技

総合馬術 馬術 ルール 観戦方法 高橋駿人
参照元: https://www.fei.org/events/fei-eventing-nations-cup-plains

3日間で行われる総合馬術の初日は、馬場馬術競技が行われます。
全人馬が同じ規定経路を演技し、それに対して審判員たちが点数をつけます

通常の馬場馬術と基本的なルールは変わりませんが、総合馬術の馬場は要求される技の難易度は少し下がります。
オリンピックになると総合馬術の最高クラスである5スタークラスが適応されるので、世界トップの人馬が演技を行います。

ルール

基本的なルールや点数の付け方は、通常の馬場馬術競技とほとんど同じです。
経路中の項目(技)ごとに審判員たちがそれぞれ10点満点で採点していき、最終的な得点を算出します。そしてその得点から満点を割り、演技の得点率を算出します。

総合馬術の場合はこの得点率を減点に変える必要があり、その減点の算出方法は得点率を100から引いた数になります。

見どころと観戦方法

総合馬術の馬場馬術競技の見どころは、様々な体格の馬が技をこなしていくところです。
総合馬術に出場する馬は、全く違うタイプの種目を3つ行わなければならないため、バランスの良さが必要になります。そのため馬の種類も様々で、ヨーロッパのゴリゴリで生粋の競技馬から元競走馬までいます。

またオリンピックなど大きな大会になると、演技中に審判が項目ごとにつけた点数がディスプレイ表示されるため、人馬の演技と点数を見比べるのも面白いでしょう。

観戦方法としては、演技中は馬が驚いてしまったり注意がそれてしまわないように静かに演技を見守るようにします。選手が経路の最後の敬礼を行ったら、拍手をして人馬の演技を讃えます

競技動画

Oliver Townend's leading dressage test

2日目:クロスカントリー競技

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参照元:https://www.horsetalk.co.nz/2017/05/07/germans-kiwis-dominate-badminton-horse-trials-cross-country/

総合馬術の3種目の中でも一番の見どころはこのクロスカントリー競技!
竹柵や丸太、池への飛び込みなど様々な形状の障害をかなり早いスピードで走りながら飛んでいく競技です。
競馬でも障害を飛越するものもありますが、それとは違って回転しながら障害を飛んだり、池の中に入ったりと迫力を感じることができます。

総合馬術 クロスカントリー 観戦方法 ルール 馬術
中にはこんな障害も…
参照元:https://www.horseandhound.co.uk/features/scary-horse-fences-473630

オリンピックなどのトップクラスの競技になると、10分以上時速35キロほどのスピードで走り続けてゴールになります。車で35キロというとあまり早い感じはしないかもしれませんが、実際に馬が駆け抜けていくのを見ると驚くと思います。

なぜそのようなスピードで走らなければならないかというと、コースに規定タイムというのが設定されていて、その規定タイムを超えてしまうと減点がどんどんと増えていってしまうからです。

ルール

クロスカントリー競技での減点は、かなり配分が大きくなっておりここで順位がかなり変わってしまうこともよくあります。またこの競技で失権(それ以上競技を続けられない)になる人馬も少なくありません。

・障害を止まったり飛べなかった(拒止、逃避)場合  減点20点
・同じ障害で2回目の拒止              減点40点
・規定タイムの超過            1秒につき減点0.4点

・コース中通算3回の拒止や逃避           失権
・制限タイム(規定タイムの2倍)の超過       失権
・落馬や人馬転(馬が転んでしまう)         失権

見どころと観戦方法

クロスカントリーは何と言ってもこの迫力を間近で感じることができるのが最大の魅力です。
下の動画にもあるように人馬が走るすぐそばから観戦することができます。

観戦方法は、とてもエキサイティングな競技なので人馬が近くを通るときに大声で応援しましょう!他の競技は静かに見なければなりませんが、この競技は観戦者もしっかり楽しむことも重要です。

競技動画

La Biosthetique – Sam FBW & Michael Jung – 2013 Badminton XC
総合馬術競技で唯一グランドスラムを達成している世界チャンピオンMichael Jung選手の動画です。

3日目:障害馬術競技

総合馬術 クロスカントリー 観戦方法 ルール 馬術 障害飛越競技 障害馬術

最終日に行われる障害飛越競技は、馬が最後の力を振り絞って行う競技です。
ルールは通常の障害飛越競技とあまり変わりませんが、前日にクロスカントリーでかなりの疲労が溜まっているので、その疲労と向き合いながらコースを回らなければなりません。

また総合馬術の障害飛越競技では、出番順がクロスカントリーまでの成績が良い選手が後に回るリバースオーダーという方式になります。つまり後の出番になればなるほど成績上位の人馬が出場し、一番最後に前日までトップだった選手が出てきます。

障害の高さはオリンピックなど世界トップクラスで130cmになります。

ルール

ルールは通常の障害飛越競技とあまり変わりありませんが、タイム減点については総合馬術の障害の方がシビアになります。

・1回目の障害の拒止や逃避     減点4点
・障害物の落下や破壊        減点4点
・規定タイムの超過    1秒につき減点0.4点

・2回目の障害の拒止や逃避  失権
・落馬や人馬転        失権

見どころと観戦方法

リバースオーダー方式で出番順が決まるこの競技。出番が後になるにつれて上位争いの人馬が出てくるので後半はとても緊張感が出てきます
せっかくクロスカントリー競技まで良い成績でもこの競技で一気に順位が下がってしまったり、失権して順位がつかなくなってしまったり、逆に大逆転で上位にくる人馬がいたり、様々なドラマが生まれます。
上位の選手の走行時には、会場全体が期待と不安の入り混じった空気になります。

観戦方法は、コースを回っているときは静かに見守り、人馬がゴールをしたら3日間戦い抜いたじいばをしっかりと拍手で讃えましょう。また上位の選手や自国の選手が良い走行をしたときは大いに盛り上がりましょう。

競技動画

Michael Jung & FischerRocana FST Show Jumping 2016 Rolex Kentucky Three-Day Event
クロスカントリー競技までトップで障害馬術競技に最終競技者として出てきたMichael Jung選手が優勝を決める瞬間です。

第4の競技と言われるインスペクションとは

総合馬術ではホースインスペクションと言われる馬体検査が、競技開始の前日と障害馬術競技の朝に行われます
ここでは何を検査されるかというと、その後の競技ができる状態かどうかを見られます。具体的にはどこか怪我をしていないかと歩き方(歩様)に以上がないかなどが見られます。

選手は審判団と獣医師の前に馬を連れて怪我の確認をされた後、速歩をして歩様検査を受けます。このときに馬が跛行(びっこ)していたりすると、一旦保留にされ(ホールディングという)細かい獣医師の検査を受けた後もう一度インスペクションにチャレンジできます。再チャレンジでも馬の異常が確認された場合、失権となってしまいます。

このように競技以外でも、失権となってしまったりする可能性があるため「第4の競技」とも言われ、選手たちは緊張感を持って臨みます。

高橋駿人
高橋駿人

本当に競技と同じ気持ちで臨んでいます。

HSBC FEI European Eventing Championships 2013 – Malmö – Final Horse Inspection

まずは観戦してみよう!

いかがだったでしょうか?総合馬術は3つの種目を行うためとても複雑に見えますが、とてもエキサイティングな競技です。記事内の動画を見て雰囲気はわかっていただけたかもしれませんが、実際に会場で見るのとは迫力が違います。

ぜひ一度競技場へ足を運んでみてください。

高橋駿人 顔写真   高橋 駿人/ ShuntoTakahashi
                                              
1996年生まれの馬術選手。種目は総合馬術。
現在ドイツで世界大会を目指して活動中!ホームページ、SNSなどをフォローしていただけると幸いです。
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